昭和50年(1975年)
春の太鼓(1月3日午後6時5分〜50分放送)
1月3日 中日朝刊
西鶴の「諸国ばなし」の中の小説をもとに、江戸時代と現代の二つのストーリーを作り同時進行させる。
江戸時代、下町の長屋に貧しい母(小山明子)、娘(奈良岡江里)が住んでいた。同情した長屋の子供たちが、こずかいを持ち寄って助けるが、その金は消えてしまう。調べに当たった奉行は何を考えたのか、子供たちに太鼓をかつがせ、町内を1周させるが……。
では、同じことが現代に起こったらどうなるか、この二つの話を対比させながら展開させる。
末っ子物語(1月6日〜1月15日放送)
第1回(1月6日 毎日朝刊)
勉強嫌いでわんぱくな中学生の末っ子・圭子(遠藤真理子)を中心に、兄(亀谷雅彦)、姉(服部妙子)ら家族のふれあいを楽しく描くホームドラマ。原作・尾崎一雄、脚本・横光晃、6回2週にわたり放送。
太郎(1月20日〜1月29日放送)
第1回(1月20日 中日朝刊)
健康的な十代描く
曽野綾子の原作「太郎物語」を松田暢子が脚色。現代っ子太郎を中心に、健康な十代を描く青春ドラマ。10回シリーズ。
高校2年の太郎(宇佐美豊)は典型的な都会っ子。大学教授の父(仲谷昇)と翻訳家の母(長内美那子)との3人家族である。太郎は将来、考古学者か人類学者になりたいと思っている。勉強、スポーツ、ガールフレンドと多忙だが、楽しい毎日である。目下の所は、一つ年上の五月素子(杣山久美)にあこがれている。
マッティと愉快な仲間たち(2月3日〜2月16日放送)
第1回(2月3日 中日朝刊)
再び町子ら大活躍
マッティこと町子(光崎玲子)は高校1年生。幼なじみの慎一(狐塚伸一)からキャンプに誘われたが、費用1万円と聞いてガッカリ。ところが仲良しの悦子(松永ますみ)と光代(喜多百合子)から、野球部のエース・大高(生木政寿)も行くと聞いて、さっそく費用づくりのバイトを始める……昨年放送され好評だった「マッティと大ちゃん」の続編で、CKの制作。
仲良し3人組を中心にした学園物で、友情、いさかい、いたずら、それから淡い恋情。あどけない表情の中に、大人っぽいものの混じっていく思春期の男女の動きや感情を、ユーモラスなタッチで描くが、光崎や狐塚らの素直な演技が、いっそうが面をさわやかなものにしている。
六年二組の春は…(3月3日〜3月12日放送)
第1回(3月3日北国朝刊)
山国の小学校を舞台に、生徒と新任の教師・早田かめの先生との人間的なふれあいを描く。
春、六年二組は、町から新しくやってくる早田かめの先生(川畑佳子)のうわさでもちきり。かめの先生はこの村に来る途中、交通事故にあって入院し、自習の毎日が続いていたのだ。クラスの男子グループと女子グループは何かにつけて対立している。
キヨ子は泣くもんか(3月17日〜3月26日放送 再放送・翌51年3月22日〜3月27日)
3月17日北国朝刊・テレビハイライトより
NHK少年ドラマシリーズは、今日17日から「キヨ子は泣くもんか」(2週6回)が放送される。川北亮司の原作「街かどの風」から、岩間芳樹が脚色したもので、演出は畑田公正(第1週)と渡辺絋史(第2週)が当たっている。
ベニヤ壁一枚で仕切られたような街の安アパート・むつみ荘に住む数家族の人々は、貧しさとたたかいながら生き続けている。小学5年生のキヨ子(舟橋宏代)とクラスメートのわんぱく坊主ベラマッチャ(五十嵐隆人)も、このアパートの住人だ。
キヨ子の母(小林トシエ)は、キヨ子の担任の先生の家庭訪問とあって大あわて。同じアパートに住む級友のベラマッチャこと正夫君は、父はなく、母(内田藍子)が働きに出ている。姉の道代(古居真美)はボーイフレンドとのデートに忙しく、ベラマッチャはいつも一人だが、キヨ子達は勉強も嫌いだが、たくましく生き続ける。
昭和50年春〜51年春 午後6時のNHKの番組表
月 |
00こどもニュース 05少年ドラマシリーズ 30真田十勇士 |
火 |
00こどもニュース 05少年ドラマシリーズ 30真田十勇士 |
水 |
00こどもニュース 05少年ドラマシリーズ 30真田十勇士 |
木 |
00こどもニュース 05ぼくらチャレンジー 30真田十勇士 |
金 |
00こどもニュース 05レンズはさぐる 30真田十勇士 |
土 |
00こどもニュース 05歌はともだち 45ネットワーク |
日 |
00レッツゴーヤング 40ふるさとのアルバム 50NHKガイド 54天気予報 |
真田十勇士(人形劇 昭和50年4月7日〜昭和52年3月25日放送)
4月1日北国朝刊・テレビハイライトより
おなじみ「真田十勇士」柴錬書き下ろし
NHKの連続人形劇「新八犬伝」にかわって7日から柴田錬三郎書き下ろしの「真田十勇士」(月−金 後6:30)が始まる。
物語は、立川文庫でおなじみの十勇士をはじめ、佐助をつけねらう両目の無い地獄百鬼や、熊野の忍者でからす堂の高野小天狗といった新しい人物が登場。主人公の猿飛佐助に焦点を合わせ、戦国時代に生きる若者の姿を描くもの。
見どころである人形は「新八犬伝」で大変な評判をとった辻村ジュザブローが引き続き担当。やっとの事で作り上げた猿飛佐助の人形を手にした辻村ジュザブローは「八犬伝では歌舞伎の手法を取り入れ、どちらかと言えば派手な人形を作ったが、原作の柴田さんはなかなかしゃ股な人なので、全体に色を吟味した」とかで、人形の衣装も落ちついた色となっているのが目新しい所。
また猿飛佐助の声を演じる松山省二はじめ、名古屋章、岸田森、三谷昇、河内桃子ら声優の起用を重視している事も特徴となっている。
赤外音楽(4月7日〜4月16日放送)
第1回(4月7日 毎日朝刊)
4人に一人しか聞くことができない高サイクルの赤外音楽で通信しあう特殊組織・ミュータント研究所。赤外音をキャッチできる人間は次々とこの組織に入り、人間の影となって、地球絶滅の恐怖から逃れようとする。ふとしたころから、この奇怪な世界をかいまみた中学生男女二人の体験を描くSFドラマ。
ふたりの追跡(4月21日〜5月14日放送)
第1回(4月21日 中日朝刊)
行方不明の父親追う少年
行方不明になった父親を追ううち、国際犯罪組織の網にかかってしまう少年と少女の冒険談。イギリス南部からスコットランドまでの長い追跡がみもの。
少年ジョン(サイモン・ターナー=内田喜郎)は、父親のトム(グリン・ヒューストン=御木本伸介)と、イギリスの南部の海岸へ出かけた。ジョンは、たまたま潮が満ちてきて動けなくなった少女スーザン(ジャン・フランシス=海老名美どり)を救った。そのころジョンの父親は、テントを出て怪しげな一団に加わっていた。
珍太郎日記(5月19日〜6月11日放送)
5月19日北国朝刊・テレビハイライトより
いたずら好きの少年ドラマ
NHK総合テレビでは、きょう19日から少年ドラマ「珍太郎日記」を12回シリーズで放送する。原作・佐々木邦、脚本・土井行夫。
上村珍太郎(五十嵐隆人)は小学校6年生で好奇心旺盛、また無頼のいたずら好きとあって、いつもひと騒動起こす少年である。お父さん(木均)は外国語の原書を翻訳するのが本業だが、大学で英語を教えているから学者と言っても良い。家庭ではものぐさを押し通す暴君でもある。お母さん(山田昌)はいつも珍太郎におこごとを連発。二人の姉(俊子−沢井桃子、律子−九鬼三千代)もどうも女くさくて、珍太郎は苦手である。
珍太郎の自慢は、道端で買ったヒヨコから育てたメンドリの「カッコ」が毎日卵を生んでくれる事だ。この卵は、1個20円でお母さんが買ってくれるから、珍太郎にとってはまさに金の卵を産む鳥である…。というストーリーで進み、珍太郎の底抜けに明るく建設的ないたずら振りと、彼の目を通してみた大人の世界をユーモラスなタッチで描いていく。
ジュンのあした(6月16日〜6月11日放送)
6月9日北国夕刊・テレビな話題より
快活なヒロイン・遠藤真理子
NHK総合テレビ「少年ドラマシリーズ」では6月16日から「ジュンのあした」を12回シリーズで放送する。「ジュンのあした」は父親が失踪した母子家庭の中で中学1年生のヒロインが、さまざまな苦しみにくじけず、明るく母や妹達を励まして生きていく、という、いわば少女小説。
このドラマのヒロイン順子を演ずるのは遠藤真理子で主題歌「こども橋わたる」も歌う。くっきりと涼しい目元がチャームポイントで、水泳で鍛えた体ははちきれそうな15歳だ。彼女のあだ名は"マジ"。その理由は「ドジな事ばっかりするんで、真理子のマと、ドジのジがくっついたんです」ということらしい。
「障害にぶつかった時、母親の相談相手になって強く生きていく順子の姿に共感しました。一番苦労したのは、3歳年下の中学1年生を演ずるという点でした。髪の形や動作でくふうしましたが、とても難しかったわ」と話す。背伸びしたいこの年頃、年下の役を演ずるには、かなり悩まされた様子だ。番組の完成試写を見終わっての感想は「私あんなにヘタだったのかしら」。しかし担当ディレクターからは「非常にカンが良くて、のみこみが早く、その成長ぶりは驚くばかり。今後が楽しみな人ですね」と話す。
本人も「将来、舞台のできる女優さんになりたいんです。尊敬するのは山田五十鈴さんです」と話す、まだ少女のあどけなさ。
昭和35年1月2日生まれ、本名、芸名に同じ。東京都出身。
リバーハウスの虹(7月14日〜7月30日放送)
第1回(7月13日北国朝刊)
1890年頃のシドニーを舞台に、スパルタ式にしつけは厳しいが実は愛情深い父親と、時には反抗しながらも明るく育つ7人の子供を描くもの。3週間にわたって放送する9回シリーズ。オーストラリアで1973年度児童劇部門最優秀賞を受賞した話題作。出演は、レオナード・ティール、バーバラ・リューリンほか。
野菊の墓(9月1日〜9月17日放送)
8月27日北国夕刊・テレビの話題より
名作「野菊の墓」を放送・NHK1日から9回シリーズで
伊藤左千夫の名作「野菊の墓」が、NHK「少年ドラマシリーズ」で、9月1日から9回シリーズで放送される。これは15歳の政夫と二つ年上のいとこ民子との清純な初恋を、千葉県矢切村を舞台に描いた作品で原作は明治39年に発表された。
あらすじは千葉県の旧家に育った政夫(長谷川諭)は、病気の母の手伝いに来ている二歳年上の民子(竹井みどり)と仲が良い。周囲の者たちがとやかくうわさするので、母・千代(小山明子)は、二人を引き離して、政夫を中学に、民子を家に帰らせる。やがて17歳の民子は強いられて結婚するが、まもなく、政夫の写真と手紙を手に握って病死してしまう。政夫は野菊の咲く墓の前で涙を流すのだった―。
出演は、ほかに寺田誠、三浦真弓、伊佐山ひろ子ら。語り手は緒方拳。
脚本は井出俊郎が担当、音楽は三枝成明章。オーボエと弦を用いた深い味わいのメロディーが効果を上げている。制作・森田昌治、演出・花房実。オール・スタジオ制作。
長くつ下のピッピ(9月22日〜10月15日放送)
9月17日北国夕刊より
スウェーデンの童話作家アストリッド・リンドグレーン女史の代表作をドラマ化した「長くつ下のピッピ」が、NHKの少年ドラマシリーズで22日から12回にわたって放送される。
「長くつ下のピッピ」はすばらしい風景、静かなたたずまいの町を舞台に、少女ピッピを中心に、その友達もまた無邪気なかわいらしさで、子供の夢をそのまま描いたような話が展開していくもの。
主人公ピッピは、片方にオレンジ色、片方に草色の長くつ下をはき、髪を豚のしっぽみたいなおさげに結んだ、茶目っ気たっぷりの女の子。サルと馬をつれて、ひとりで家に住み、学校にも行かない。世界一の力持ちで、大人におかしなところがあれば、遠慮なく言いまくる。それでいて、にくめない子供という設定。
主役のピッピを演じるのは、八千人を超える応募者から選ばれたイングル・ニルソンという1959年スウェーデンのキサ市生まれ、小柄で赤い髪、カンがよく、たくまざるユーモアに満ちた少女である。
なお、ピッピの声は、キャロライン洋子が吹き替えをする。
すばらしき友人(10月20日〜11月12日放送)
第1回(10月22日北国朝刊)
男女高校生の心の動きと、父と子の対立などを、小都市を舞台に描く。
中学生・堀口彰(吉本隆浩)は、オートバイを走らせ、自転車に乗っていた少女とぶつかった。後ろに乗っていた兄・堀口浩(亀井利勝)は弟の罪をかぶる。少女は神谷霞(斎藤智美)であった。病院に霞を見舞った浩は、そこで意外な女性と出会う。
なぞの転校生(11月17日〜12月3日放送)
第1回(11月17日北国朝刊)
きょうから9回シリーズで始まる眉村卓のSF。
東京郊外のある中学校を舞台に、抜群の学力と超能力を備えた転校生が次々と引き起こす事件などを、彼の隣に住む同級生の少年の目を通して、サスペンスドラマ風に描く。
出演は、主役の岩田広一を高野浩幸、転校生・山野典夫を星野利春、大谷先生を岡田可愛が演じる。
ぼくのテムズ川(12月8日〜12月17日放送)
第1回(12月8日北国朝刊)
イギリスのテムズ川を舞台に、少年サム(サイモン・ウェスト)が、親友のポール(マーク・ダイタス)と二人で、密輸団を向こうにまわして数々の冒険をかさねる。テムズ川に生きる人々の愛情もからめて、詩情ゆたかに描く、6回シリーズ。
原作・脚本・ペギー・ミラー、監督・ジョセフ・マグラス。1974年、イギリス制作。
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